幣原首相が提案した憲法9条「戦争放棄」によって、米ソ冷戦時代を守られた日本

幣原喜重郎・・・・深謀遠慮の宰相





 今、日本国憲法の制定と幣原喜重郎のことを調べている。
筆者はかつて、戦前協調主義の幣原外交は「軟弱外交」だと一言で片付ける軽薄な教科書を習っただけだったのだが、実際には、この人物は深謀遠慮の人だった。

調べれば調べるほど、戦争・戦力放棄条項を憲法に盛り込むことは、1946年1月24日に幣原がマッカーサーに提案したことだということは確かである
しかも、残された幣原のことばの記録から見ると、この戦争・戦力放棄条項には、マッカーサー意図をも超えた深い意図があったことがうかがえる。

 当時、マッカーサーが抱えていた難題は、日本が二度と軍国化しないように確実な手を打つことと、天皇制を存続させるということだった
米国の方針は日本共産化をふせぐために天皇制を存続させるということとなっていた。だが、他方で、ソ連天皇制廃止を強硬に唱え、オーストラリアニュージーランドなどは天皇いるかぎり日本が再び軍国化するにちがいないと恐れている状況だった。マッカーサーは困っていた。
 
そういう状況にあって、幣原は戦争・戦力放棄をマッカーサーに提案した。これによって、ソ連以外の国々には天皇制の存続は容認され、かつ日本の再軍国化を防ぐことができるという一石二鳥の提案であった。

 では幣原はなぜ日本政府として公式に戦争・戦力放棄を提案しなかったのか? 
当時、日本政府がこんなことを提案することはおろか、閣議で話題にすることすら不可能だったからである。それは国体に触れることだったから。それ以上に、非武装宣言は幣原自身いうように「狂気の沙汰」としか受け取られまいとも思われた。だから、幣原はこれをGHQから日本に「押し付ける」かたちを取るほか方法はなかった

 誰よりも多くの戦争の悲惨を見てきたマッカーサーは、非常に感激して、幣原の申し出た戦争・戦力放棄条項を受け容れ、2月3日に「マッカーサーノート」三項目を発した。第一項は天皇制維持、第二項に戦争・戦力放棄、第三項に封建制度廃止が記された。こうして、その後、マッカーサー草案に、そして、日本国憲法9条に、戦争・戦力放棄条項が入れられることになる。

 だが、幣原にとっては、この戦争・戦力放棄条項は、実は、一石二鳥ではなく、いわば一石四鳥だったようである
幣原が正面からマッカーサーに明らかにした三羽目の鳥は、理想としての世界平和であった。戦前外務大臣として軍縮条約のために交渉に携わって列国のエゴイズムを知りぬいた幣原の理想のことばにマッカーサーは感激した。また、「後世、予言者と呼ばれることになりましょう。」ということばは、歴史自分の名を残したいという野心をもっていたマッカーサーの胸に響いたようである

 幣原にはマッカーサーに対しても秘匿したもう一羽の鳥があった
それは、緊迫の度を増していた資本主義共産主義の激しい戦争に、日本青年たちが米国の尖兵として使役されることを防止することであった。

彼の側近であった平野三郎に最晩年遺言に近いかたちで語ったことの記録(国会図書館内にある憲法調査会資料(西沢哲四郎旧蔵))にはしなくも漏らされている。「日米親善は必ずしも軍事一体化ではない。日本アメリカの尖兵となることが果たしてアメリカのためであろうか。」と。彼が意図したとおり、日本青年たちは、東西冷戦のなかで行われたベトナム戦争をはじめとする戦闘に、米国によって狩り出されないで済んだのであるベトナム戦争に狩り出されて五千人もの戦死者を出した韓国のいたましさを思うと、どれほど多くの日本人が幣原に恩を感じるべきかと思う。

 やがてマッカーサー自分が幣原の深謀遠慮にはめられたことに気づいたようである1950年5月3日憲法記念日、幣原は衆議院議長としてマッカーサーを訪ねている。そのとき同行した衆議院事務総長大池真の手記に次のようにある。
マッカーサー元帥から次のような発言が出たことを記憶している。『日本国憲法制定に当たり、ミスター幣原は日本は一切の戦力を放棄すると言われたが、私はそれは約五十年間早すぎる議論ではないかというような気がした。しかしこの高邁な理想こそ世界に範を示すものと思って深い敬意を払ったのであるが、今日世界情勢から見ると、何としても早すぎたような感じがする』
 マッカーサー元帥の発言に対し、幣原議長はニガ笑い して聞いておられただけであった。その後間もなく朝鮮事変が起こった。 」
 だが、現在自民党政権は、9条を改正して日本青年たちを米国世界戦略としての戦争に「集団的自衛権の行使」という名目で差し出そうとしている。・・・

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幣原首相が、マッカーサーに提案した「戦争放棄」

実際、この憲法9条によって、日本の青年達は、冷戦時代のアメリカの戦争、朝鮮事変やベトナム戦争などから守られたのです。
あとでマッカーサーは、戦争放棄の提案を受け入れたのは、早すぎた・・と悔やまれました。
それを、今、どうして?アメリカの戦争に日本国民を差し出すようなことをするのでしょうか?
憲法9条は、先人(幣原首相)の平和主義に感謝し、国民を戦争から守ったことを誇りに思い、永久に守り続けるべきものでしょう。
それをないがしろにする集団的自衛権=戦争立法の数々は、決して許してはいけないと思います。

★幣原首相と憲法9条についてはalf's momさんの記事もどうぞ!

戦争をやめるには武器を持たないことが一番の保証」…憲法九条成立のために尽力した幣原首相


転載元: mimiの日々是好日

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