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NHK国谷氏、TBS岸井氏・膳場氏につづく、テレ朝古館氏の最後の放送(31日)──日本の報道の自由と民主主義の最後とならぬように

今夜、テレビ朝日系の「報道ステーション」の古館キャスターが最後の放送となった。
 

 
 
「12年間無遅刻・無欠勤だった」として「巷の一部で、プレッシャーや圧力がかかっているから辞めさせられるという声もあるが、そういうことはいっさいありません」と言っていた。
一方で、「報道番組は、つるんつるんの無難な発言ばかりでいいのか。人間がやっているのであって、時として偏りはあるのは当たり前」「報道ステーションでは言うべき越は言う。間違いはあやまる。激しい発言があとになって『あのときの発言があったから』となることも必ずある」と述べていた。
 
 
あらためて、少し振り返りたい。
 
 
 
2014年11月18日放送のTBS系報道番組「NEWS23」に安倍首相が出演。番組では、岸井成格特別編委員と膳場キャスターら3人がインタビューがをする形ですすめられた。
 

 
 
安倍首相はまず、衆議院を解散する理由について説明し、岸井氏らから「アベノミクスはうまくいっていないのでは」との指摘について長々と反論。しかし、岸井氏らは、「庶民の間では景気回復が実感になっていない」と指摘し、続いて、番組が事前に東京・有楽町や大阪駅で「景気回復の実感があるか」を通行者に質問した、「街の声」がVTRで紹介された。
 
そこでは、「株価が上がってきてアベノミクスの効果はあった」「解散・総選挙で民意を問うのはよい」といった好意的な声もあったが、「お給料は上がってない」「景気が良くなったとはあんま思わない」「景気が悪いですし解散総選挙して出直し」「アベノミクスは感じてない」「大企業しかわからへんのちゃうかな」など否定的なものも多かった。
 
これに対し、岸井氏が何か聞こうとすると、安倍首相はそれを制止し、次のようにまくし立てた。
「これはですね、街の声ですから。みなさん選んでいると思いますよ、もしかしたらね」
 
続けて「われわれが政権を獲ってから、(国民総所得は)プラスになっています。マクロでは明らかにプラス」などと、現政権の実績をアピールし、さらに「ミクロで見ていけばてせすね、色んな方々がいらっしゃいます。中小企業の方々、小規模事業者の方々で、名前を出してテレビで『儲かってます』って答えるのは、相当勇気がいるんですよ。これ常識ですが、納入先にですね、『それだったら、もっと安くさせてもらいますよ』と言われるのが当たり前ですから」と番組によるインタビュー映像の取り上げ方に異論を唱えた。
 
そのうえで、首相は「事実、6割の企業が賃上げしてるんですから」「これ、ぜんぜん声反映されてませんが。これおかしいじゃないですか」と色をなして異議を唱えた。
特定秘密法も選挙の争点になると指摘されると、安倍首相は「これはまさに、工作員とかね、テロリスト、スパイを相手にしていますから、国民はまったくこれは基本的に関係ないんですよ。報道で『映画が作れなくなる』、私は映画が作れなくなれば、すぐ総理大臣辞めてもいいですよ。そんなことありえませんから。『報道がそれで抑圧される』、そんな例があったら私は辞めますよと」説明。
 
集団的自衛権についても、「『あなたも戦場に行かされる』というのは、極めて不真面目な態度ですよ。そんなことは起こりえないんですから」とまくし立てた。
 

 
 
 
 
NHKクローズアップ現代。
2014年7月3日放送で集団的自衛権の問題を特集し、菅官房長官が出演した
 

 
 
国谷キャスターと菅官房長官は番組中、次のようなやりとりを行っていた。
 
国谷キャスター「解釈の変更は日本の国のあり方を変えると言うような事だと思うのですが、国際的な状況が変わったというだけで憲法の解釈を本当に変更してもいいのかという声もありますよね。」
 
菅官房長官「これはですね、逆に42年間、そのままで本当によかったかどうかですよね。今、大きく国際化という中で変わってることは、事実じゃないでしょうか。そういう中で、憲法9条を私たちは大事にする中で、従来の政府見解、そうしたものの基本的論理の枠内で、今回、新たに我が国と密接な関係がある他国に対する武力攻撃が発生し、我が国の存立そのものが脅かされ、国民の生命・自由・幸福追求の権利が、根底から覆される明白な危険ということを入れて、今回、閣議決定をしたということです。」
 
(中略)
 
国谷キャスター「密接な関係のある他国のために、もし集団的自衛権を行使した場合、第三国を攻撃することになって、第三国から見れば日本からの先制攻撃を受けたということになるかと思うんですね。戦争というのは、自国の論理だけでは説明しきれないし、どんな展開になるかわからないという危険を持ったものですから
 
菅官房長官「いや、こちらから攻撃することはありえないです。」
 
国谷キャスター「しかし集団的自衛権を行使している中で、防護…」
 
菅官房長官「ですからそこは、最小限度という、3原則という、しっかりした歯止めがありますから、そこは当たらないと思いますよ。」
 
(その後、国谷キャスターは番組の終了間際まで「解釈を変更したことに対する違和感や不安をどのように払しょくするのか」などと質問。菅官房長官が回答を返す途中で、番組は終了してしまった。その数時間後、再び官邸サイドからNHK上層部に「君たちは現場のコントロールもできないのか」と抗議が入ったという。局上層部は『クロ現』制作部署に対して「誰が中心となってこんな番組作りをしたのか」「誰が国谷に『こんな質問をしろ』と指示をしたのか」という"犯人探し"まで行ったという。)
 
「週刊フライデー」の725日号の「国谷キャスターは涙した 安倍官邸がNHKを"土下座"させた一部始終」と題した記事によれば、番組終了後に菅官房長官に同行していた秘書官がNHK側に「いったいどうなっているんだ」とクレームをつけたという。
同誌は「国谷裕子キャスターの質問が鋭かったうえ、国谷さんが菅さんの質問をさえぎって『しかしですね』『本当にそうでしょうか』と食い下がったことが気にくわなかった」とした。首相官邸側が放送内容を巡りNHKを叱責したと報じた。これに対し菅義偉官房長官は「ひどい記事だ」と述べ、事実に反しているとの認識を示した。
 

 
 
 
 
そして、2012年3月12日「3.11報道ステーション スペシャル」での古館キャスターの発言。
 

 
 
「今、テレビを御覧の皆様。私、ふたつの、この番組に関して後悔することがあります。
1つ目は、牧場の主の方になんとか無理を言ってでも牛の墓場を撮影して皆様にお届けするべきだったと、今考えています。

私たちはものを食らって生きています。
しかしその生き物が育てられていく現場、そしてその現場で今、大変悲惨なことが起きていると。それをテレビは避けずに直視して、皆様に観てくださいと言う勇気を持つべきだったと後悔しています。

2つ目の後悔は、原発に関してです。
報道ステーションではスペシャル番組として、去年の1228日の夜、原発の検証の番組をお送りしました。津波で原発が壊れたのではなく、それ以前の地震によって一部、第一原発のどこかが損壊していたのではないかという、その追求をしました。
今回のこのスペシャル番組でその追求をすることはできませんでした。

原子力村という村が存在します。都会はこことは違ってまばゆいばかりの光にあふれています。

そしてもうひとつ考えることは、地域で、主な産業ではなかなか暮らすのが難しいというときに、その地域を分断してまでも、積極的に原発を誘致した、そういう部分があったとも考えています。
その根本を、徹底的に議論しなくてはいけないのではないでしょうか。私はそれを、強く感じます。そうしないと、今、生活の場を根こそぎ奪われてしまった福島の方々に申し訳がたちません。

私は日々の報道ステーションの中でそれを追求していきます。もし圧力がかかって番組を切られても、私はそれはそれで本望です。

また明日の夜、954分に皆様にお会いしたいです。おやすみなさい。
 
 
 
 
それぞれのキャスターやコメンテーターが、降板させられる、「引き金」となったいわれる番組である。
 
 
22日の「報道ステーション」は「ワイマール憲法から学ぶ自民党憲法草案緊急事態条項の危うさ」と題して、権力がどのように国民を支配し独裁政治へとすすみ、悲惨な戦争へと導いていくのかについてヒトラーとナチスドイツの歴史から解き明かした、まさに渾身の特集だったと思う。
 
ヒトラーは、念願の首相に任命された後に議会で多数を取るために、すぐに議会を解散した。そして1933年2月4日に権力掌握のために1回目の国家緊急権を使った。そして選挙に向けて、互いに利用し合う関係にあった当時のヒンデンブルク大統領を動かした。
集会と言論の自由を制限、政府批判を行なう政党の集会やデモ、出版をことごとく禁止した。そしてそれからおよそ3週間経って、今度は、ベルリンの国会議事堂放火事件が起き、ヒトラーはこの放火事件を、「共産党の国家転覆の陰謀」として、2月28日に、2回目の国家緊急権を使った。度は、あらゆる基本的人権を停止した。司法手続きなしで逮捕もできるようにしてしまった。
 

 
国家緊急権行使を後押ししたのは、"保守陣営"と、"財界"だった。財界も、ナチのことは好きじゃなかったが、何よりも共産勢力の盛り上がりを怖がっていたという。ヒトラーは国家緊急権で自由を廃止し、野党の息の根を止めた。それが民主主義と議会の終焉につながった。

野党が自由を奪われた中で、ヒトラー率いるナチ党は議席を増やし、いよいよ仕上げにかかる。恫喝と懐柔策を駆使して、反対派を従わせて、議会の3分の2までを押さえて成立させたのが、あの「全権委任法」だった。国会の審議を経ずに政府が憲法の改正まで含めて全ての法律を制定できてしまう法律。この瞬間、世界一民主的な憲法の元で、合法的に独裁が確立した。
ヒトラーは次のように言った。
「私やナチを疑うのは、頭がおかしい者かホラ吹きくらいだ。我々はドイツのため断固として戦わなければならないのだ。」
 
 

 
メディアが権力批判ができなくなったら民主主義は終る。
権力批判どころか、権力に迎合し、ちょっと権力の意に沿わないテレビ番組とキャスターを吊るし上げる広告を掲載する新聞もある。
欧米諸国では、メディアは権力批判をするのが当たり前。権力に媚びる新聞など誰も手にしない。

ジャーナリズム精神というのも、権力のチェック機関としての批判精神があるのかどうかということである。

福島第一原発事故の後の東電の記者会見で、放射能が広がる緊迫した事態なのに、あたりさわりのない質問をして、フリーの記者の追求を「その質問はもういいだろう!」と制止する大手の新聞社。甘利大臣の辞任記者会見で、「告発者についてどう思うか」というような助け舟を出すかのような質問をする大手メディアの記者。
そんなメディアや記者ばかりになったらこの日本も終る。
 
国谷、岸井、膳場の各キャスター・コメンテーターに続く、今日の古館キャスターの降板が、日本の報道の自由や民主主義が終ることにつながらないよう願うものである。
 
 
 

 
 


転載元: TABIBITO

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猫と暮らしバラ栽培、ミュージカル、玉三郎観劇、動物園巡礼にはまっています。

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